実測テスト
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【実測データあり】「サンスターストロボ DX-24II」で色温度・演色性・閃光時間を測定

サンスターストロボ DX-24II で色温度・演色性・閃光時間を実測
KEN

サンスターストロボのジェネレーターストロボ「DX-24II」の発光特性を測定してみました。

DX-24IIは最大2400Wsの大型ジェネレーターストロボです。

現在ではかなり古い製品ですが、中古市場では比較的安価に見つかることもあります。

今回は2400Ws、1600Ws、800Wsの各出力について、

  • 色温度
  • Ra
  • R9
  • 閃光時間(t0.1)

を測定しました。

測定してみると、現在主流になっているIGBT制御のストロボとはかなり違う発光特性が確認できました。

サンスターストロボ DX-24II

DX-24IIは最大出力2400Wsのジェネレータータイプのストロボです。

主な仕様は以下の通りです。

  • 最大出力:2400Ws
  • 最小出力:6Ws
  • 2回路独立調光
  • 各ダイヤル Full〜1/32+1/64調光
  • A:B:Cの均等出力
  • A:BC=1600Ws:800Wsの非均等出力
  • 重量:約5.7kg

2400Wsという大出力ながら、電源部の重量は約5.7kgです。

操作系は本体上面にまとめられています。

現在のストロボのような液晶表示ではなく、スイッチとバリエーターで出力を設定する構成です。

均等・非均等の出力切り替え

DX-24IIは出力配分を切り替えて使用できます。

A:B:Cの均等出力のほか、A:BC=1600Ws:800Wsの非均等出力に切り替えることができます。

本体側面には、出力配分とバリエーター位置による実際の出力を確認するための早見表が貼られています。

出力の調整にはバリエーターを使用します。

今回はこの出力配分を利用して、2400Ws、1600Ws、800Wsの各出力について1/1〜1/64まで測定しました。

テストに使用したフラッシュヘッド

今回使用したフラッシュヘッドは「SMALL OCTA-26」です。

最大3000Ws入力に対応したフラッシュヘッドで、4mのヘッドケーブルが付いています。

今回掲載している基本測定値は、

DX-24II + SMALL OCTA-26 ( 4mヘッドケーブル)

の組み合わせによる実測値です。

後述しますが、ジェネレーターストロボの閃光時間は電源部だけで決まるものではなく、使用するヘッドやケーブル長によっても変化します。

測定方法

色温度と演色性はSEKONIC C-700、閃光時間はSEKONIC L-858Dを使用して測定しました。

2400Ws、1600Ws、800Wsについて、それぞれ1/1から1/64まで1EVずつ出力を変えて測定しています。

色温度については測定値の再現性を確認するため各設定で3回再測定し、その平均値を掲載しています。

Ra・R9と閃光時間については各設定での測定値を掲載しています。

閃光時間はすべて「t0.1」です。

2400Wsの測定結果

出力色温度
(3回平均)
RaR9閃光時
(t0.1)
1/15681K98.799.41/189秒
1/25583K98.196.61/148秒
1/45490K97.694.41/134秒
1/85410K97.192.21/124秒
1/165355K96.891.41/107秒
1/325262K96.389.11/89秒
1/645204K95.586.31/82秒

2400Wsでは、出力を下げるにつれて色温度がほぼ一貫して低下しました。

1/1では5681K、1/64では5204Kなので、その差は477Kです。

Raは1/1で98.7、1/64でも95.5と比較的高い値を維持しています。

一方、R9は99.4から86.3まで低下しました。

そして特徴的なのが閃光時間です。

1/1では1/189秒ですが、出力を下げるほど長くなり、1/64では1/82秒になりました。

1600Wsの測定結果

出力色温度
(3回平均)
RaR9閃光時
(t0.1)
1/15685K98.698.11/270秒
1/25562K98.096.11/209秒
1/45483K97.694.41/196秒
1/85436K97.393.31/180秒
1/165398K96.791.11/161秒
1/325216K96.288.61/147秒
1/645188K96.088.71/121秒

1600Wsでも2400Wsとほぼ同じ傾向です。

色温度は1/1の5685Kから1/64では5188Kまで低下しました。

差は497Kです。

Raは98.6から96.0と比較的安定していますが、R9は98.1から88台まで低下しています。

閃光時間も1/1の1/270秒から1/64では1/121秒となり、出力を下げるほど長くなりました。

800Wsの測定結果

出力色温度
(3回平均)
RaR9閃光時間
(t0.1)
1/15760K97.894.81/458秒
1/25607K97.794.51/379秒
1/45531K97.393.11/351秒
1/85468K97.092.21/316秒
1/165427K96.589.91/289秒
1/325235K95.988.71/240秒
1/645205K95.988.21/205秒

800Wsでも同じ傾向になりました。

色温度は1/1の5760Kから1/64では5205Kまで低下し、その差は555Kです。

Raは97.8〜95.9と比較的安定していますが、R9は94.8から88.2まで低下しました。

閃光時間についても1/1の1/458秒から1/64では1/205秒となり、低出力ほど長くなっています。

出力を下げるほど色温度が低下する

3つの出力レンジをまとめると、色温度の変化はかなり分かりやすい結果になりました。

2400Wsでは、

5681K → 5204K(-477K)

1600Wsでは、

5685K → 5188K(-497K)

800Wsでは、

5760K → 5205K(-555K)

となりました。

3つのレンジとも、出力を下げるにつれて約500K前後色温度が低下しています。

特にグラフにすると、2400Ws、1600Ws、800Wsの3本がかなり似たカーブを描いていることが分かります。

ストロボは出力を変えても単純に光量だけが変化するわけではなく、調光方式によって色温度も変化します。

複数灯を使用して、それぞれの出力差が大きい場合には、この色温度差が写真に影響する可能性があります。

低出力ほど閃光時間が長くなる

今回もうひとつ非常に分かりやすかったのが、閃光時間の変化です。

DX-24IIでは、すべての出力レンジで光量を下げるほど閃光時間が長くなりました。

2400Wsでは、

1/1:1/189秒 → 1/64:1/82秒

1600Wsでは、

1/1:1/270秒 → 1/64:1/121秒

800Wsでは、

1/1:1/458秒 → 1/64:1/205秒

となっています。

現在のクリップオンストロボやバッテリー式モノブロックストロボでは、IGBT制御を採用している製品が多くあります。

IGBT制御では発光途中で電流をカットすることで光量を調整するため、一般的には出力を下げるほど閃光時間が短くなります。

DX-24IIでは逆で、出力を下げるほど閃光時間が長くなりました。

閃光時間は「1/189秒」のような表記よりも、グラフではミリ秒に換算した方が変化を直感的に確認できます。

例えば2400Wsでは、1/1の約5.3msから1/64では約12.2msまで発光時間が長くなっています。

この世代の電圧調光ストロボに見られる特徴

DX-24IIは電圧調光方式のストロボ(電源部)になります。

電圧調光では、コンデンサーの充電電圧を変えることで発光量を調整します。

サンスターストロボも電圧調光方式について、出力を絞るほど色温度が低下し、閃光速度はバリエーター最大時が最も速くなる傾向があると説明しています。

今回のDX-24IIでも、

出力を下げる → 色温度が低下する → 閃光時間が長くなる

という変化が非常に分かりやすく確認できました。

同じFullでも出力レンジによって閃光時間が違う

もうひとつ興味深いのが、2400Ws、1600Ws、800Wsの違いです。

それぞれのFullを比較すると、

出力閃光時間(t0.1)
2400Ws1/189秒
1600Ws1/270秒
800Ws1/458秒

となりました。

800Ws・Fullは、2400Ws・Fullよりかなり短い閃光時間になっています。

さらに、

2400Ws・1/64:1/82秒

に対して、

800Ws・Full:1/458秒

です。

同じDX-24IIでも、どの出力レンジを使用するかによって閃光時間が大きく変化します。

動きのある被写体をできるだけ止めたい場合には、単純に2400Ws側のバリエーターを大きく絞るのではなく、必要な光量に合わせて800Ws側を使用し、Fullに近いところで使う方が短い閃光時間を得られます。

閃光時間のt0.1とは

今回掲載している閃光時間は、すべてSEKONIC L-858Dで測定した「t0.1」の値です。

ストロボの閃光時間には、主にt0.5とt0.1という2種類の表記があります。

t0.5は発光量がピークの50%以上になっている時間、t0.1はピークの10%以上になっている時間を測定します。

そのため、同じ発光でもt0.1の方が長い時間として測定されます。

動いている被写体をどの程度止められるかを見る場合には、発光の裾野まで含めたt0.1が重要な指標になります。

t0.5が短くても、50%を下回った後の発光が長く残っていれば、その光も実際の写真には記録され、被写体ブレに影響する可能性があります。

そのため異なるストロボの閃光時間を比較する場合は、単純に「1/○○秒」という数字だけを見るのではなく、t0.5とt0.1のどちらで測定された値なのかを確認する必要があります。

今回の記事では、実際の発光時間をより広く捉えられるt0.1に統一して測定しています。

ヘッドやケーブルでも閃光時間は変わる

ジェネレーターストロボでは、閃光時間は電源部だけで決まるものではありません。

サンスターストロボによると、使用するフラッシュヘッドの数やヘッドケーブルの長さによっても閃光時間が変化します。

ヘッドを2灯、3灯と増やした場合は閃光時間が短くなり、逆にヘッドケーブルを長くすると、ケーブル抵抗による電圧降下によって出力と色温度が低下し、閃光時間も長くなると説明されています。

せっかくなので今回、SMALL OCTA-26の4mケーブルに5mの延長ケーブルを追加し、合計約9mにした場合も測定してみました。

この比較では、延長ケーブルなし・ありを同じタイミングで測定しています。色温度はそれぞれ3回測定した平均値です。

出力4m
色温度
9m
色温度
色温度差4m t0.19m t0.1
2400Ws Full5724K5622K-102K1/193秒1/126秒
1600Ws Full5690K5624K-66K1/264秒1/181秒
800Ws Full5784K5677K-107K1/464秒1/339秒

5mの延長ケーブルを追加すると、3つの出力すべてで色温度が低下しました。

低下量は66〜107Kです。

閃光時間についてもすべての出力で長くなり、2400Wsでは1/193秒から1/126秒、1600Wsでは1/264秒から1/181秒、800Wsでは1/464秒から1/339秒となりました。

発光している時間で比較すると、およそ1.4倍前後長くなっています。

メーカーが説明している「ケーブルを延長すると色温度が低下し、閃光時間が長くなる」という傾向を、今回のDX-24IIでも実測で確認できました。

なお、この比較テストと前項までの測定は測定タイミングが異なるため、Full時の色温度や閃光時間には多少の差があります。

重要なのは絶対値ではなく、同じタイミング・同じ条件でケーブル長だけを変えた場合に、3つの出力すべてで同じ方向の変化が確認できたことです。

メーカーが公開しているストロボのテクニカルデータでも、使用したヘッドとケーブル長が測定条件として記載されています。

ジェネレーターストロボの閃光時間や色温度を比較する場合は、ジェネレーター本体だけではなく、使用するヘッドやケーブル長まで含めて測定条件を確認する必要があります。

Raは高いがR9は低出力で低下

演色性については、RaとR9で少し違う傾向になりました。

Raは、

2400Ws:98.7〜95.5
1600Ws:98.6〜96.0
800Ws:97.8〜95.9

となり、全体的に高い値を維持しています。

一方、R9は低出力になるほど低下する傾向が見られました。

特に2400Wsでは、

1/1:99.4 → 1/64:86.3

まで変化しています。

RaはR1〜R8までの8色を平均した平均演色評価数です。

R9は鮮やかな赤色の再現性を見る特殊演色評価数で、Raの計算には含まれていません。

そのためRaだけを見ると大きな変化がないように見えても、R9まで確認すると出力による違いが分かりやすくなります。

人物の肌や料理、赤色を含む商品などを撮影する場合には、RaだけでなくR9も参考になります。

最大出力付近の演色性はかなり高い

今回測定して意外だったのが、最大出力付近の演色性です。

2400Ws・1/1では、

色温度:5681K
Ra:98.7
R9:99.4

1600Ws・1/1では、

色温度:5685K
Ra:98.6
R9:98.1

という結果でした。

かなり高い数値です。

低出力になるとR9は低下していきますが、最大出力付近ではRa、R9ともに非常に高い値になっています。

古いストロボだから色が悪い、という単純な話ではなさそうです。

人物撮影では閃光時間の長さに注意

DX-24IIのような古い大型ジェネレーターストロボは、中古市場では比較的安価に見つかることがあります。

2400Wsクラスの大光量ストロボを低価格で導入できるのは魅力ですが、現在のIGBT制御ストロボとは発光特性がかなり違います。

特に人物撮影で注意したいのが閃光時間です。

今回の測定では2400Ws・1/1でもt0.1=1/189秒、1/64では1/82秒でした。

ストロボ光が主光源になる撮影では、カメラ側のシャッター速度だけではなく、ストロボが実際に発光している時間が被写体の動きを止める能力に大きく影響します。

人物が動いている場合、閃光時間が長い設定では顔や身体、髪、衣服などにブレ感が生じる可能性があります。

現在のIGBT制御ストロボでは低出力にすることで閃光時間を短くできる製品が多いため、同じ感覚で使うと逆の結果になります。

中古の大型ストロボを購入する場合には、最大出力や価格だけではなく、調光方式や閃光時間も確認しておいた方がよいと思います。

閃光時間が長いことが悪いとは限らない

一方で、閃光時間が長いことが必ずしも欠点になるわけではありません。

例えば料理撮影では、湯気や煙などを撮影することがあります。

閃光時間が非常に短いストロボでは、湯気の動きまで細かく止まり、その形や細かなディテールがはっきりと写ります。

一方、少し長い閃光時間で撮影すると、発光している間にも湯気が動くため適度なブレが生じ、柔らかく流れるような表現になります。

湯気を完全に静止させるよりも、少し動きを残した方が温かさやシズル感を自然に見せやすい場合があります。

下の写真は、閃光時間の違いによる湯気の写り方を比較したものです。

左が閃光時間の長いサンスターストロボ DX-24II、右が閃光時間の短いGodox AD100Proで撮影しています。

右のように閃光時間が短いと、湯気の細かな動きまで静止するため、輪郭や細かなディテールがはっきりと見えます。

対して左は、発光している間にも湯気が動くことで適度に輪郭がぼけ、より柔らかく流れるような湯気として写っています。

どちらが正しいというものではなく、料理写真で柔らかく立ち上る湯気を表現したい場合には、あえて閃光時間の長いストロボを利用することも一つの方法です。

液体を注ぐような撮影でも、完全に止めるのか、少し動きを残すのかによって適した閃光時間は変わります。

閃光時間は単純に「短いほど高性能」というものではなく、撮影する被写体や求める表現によって使い分けるものです。

まとめ

サンスターストロボ DX-24IIを、SMALL OCTA-26との組み合わせで測定してみました。

今回特に分かりやすかったのは、2400Ws、1600Ws、800Wsのすべてで、出力を下げるほど色温度が低下し、同時に閃光時間が長くなったことです。

色温度は各設定を3回測定した平均値で比較しましたが、1/1から1/64までの変化量は、

  • 2400Ws:-477K
  • 1600Ws:-497K
  • 800Ws:-555K

となりました。

3つの出力レンジで非常によく似た傾向が確認できます。

Raは全体的に高い値を維持しましたが、R9は低出力になるほど低下する傾向が確認できました。

また、同じDX-24IIでも2400Ws、1600Ws、800Wsのどのレンジを使用するかによって閃光時間が大きく変化します。

さらに5mの延長ケーブルを追加したテストでは、3つの出力すべてで色温度が低下し、閃光時間が約1.4倍前後長くなりました。

ジェネレーターストロボでは、本体だけではなくヘッドやケーブルを含めて発光特性を考える必要があることも分かります。

DX-24IIについては当時の詳細な資料が現在確認できないため調光方式を断定することはできませんが、今回の測定結果は、この世代の電圧調光ストロボに見られる特徴とよく似ています。

現在のIGBT制御ストロボと比べると閃光時間が長く、特に低出力でさらに長くなるため、動きのある人物撮影などでは注意が必要です。

一方、料理撮影の湯気など、少し動きを残した方が自然に見える被写体では、長い閃光時間を表現として利用することもできます。

また、最大出力付近ではRa、R9ともに非常に高い値が確認できました。

古いストロボだから性能が低いということではなく、現在のストロボとは特性が違うと考えた方がよさそうです。

ストロボは最大出力や価格だけではなく、出力を変えたときに色温度や閃光時間がどのように変化するのかまで見ると、それぞれの機材の特徴が分かりやすくなります。

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