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6,000円のOPPLE Light Master 4は撮影用カラーメーターとして使えるのか?SEKONIC C-700と比較

KEN

撮影用LED照明を複数台使用すると、同じ色温度に設定していても、メーカーや機種によって実際の発光色が微妙に異なることがあります。

こうした光源の色温度や演色性を測定するために使われるのが、SEKONIC C-700やC-800などのカラーメーターです。ただし本格的な分光式の測定器は高額で、LED照明の色を揃えるためだけに購入するには少しハードルがあります。

そこで今回、6,000円程度で購入できる簡易測定器「OPPLE Light Master 4」を入手しました。

SEKONIC C-700と同じ光源を測定し、どの程度の差が出るのか比較してみます。

今回は撮影用バイカラーLEDを色温度違いで3条件、さらにPanasonicのAAA色評価用昼白色蛍光灯を加えて測定しました。

OPPLE Light Master 4とは

OPPLE Light Master 4は、色温度や照度、CRI、フリッカーなどを測定できる小型の光測定器です。

スマートフォンとBluetooth接続して使用するタイプで、本体価格は6,000円前後。SEKONIC C-700のような本格的な分光式カラーメーターとは、測定方式も価格帯も大きく異なります。

ストロボ光の測定には対応していないため、基本的にはLED照明や蛍光灯などの定常光用です。

今回確認したかったのは、SEKONIC C-700の代わりとして高精度な測定ができるかどうかではありません。

LED照明を複数台使用するときに、灯体ごとの色温度差や個体差を確認し、撮影前の調整に使えるかどうかを中心に検証しました。

SEKONIC C-700と比較

今回測定した光源は以下の4条件です。

  • ZHIYUN MOLUS B200:200WバイカラーLED、5000K設定
  • Panasonic AAA色評価用昼白色蛍光灯
  • Zhiyun CX100:6500K設定
  • Zhiyun CX100:2700K設定

ディフューザーやソフトボックスなどは使用せず、光源を直接測定しています。

Ulanzi B200 5000K設定

測定項目SEKONIC C-700OPPLE Light Master 4
CCT5095K5089K6K
Ra97.096.50.5
R995.988.47.5
照度29,600lux29,829lux229lux
CC Index0.3G測定不可

ZHIYUN MOLUS B200ではかなり近い結果になりました。

色温度の差はわずか6K、Raは0.5差、照度も約0.8%差です。

一方、R9はC-700が95.9に対してLight Master 4は88.4と、7.5ポイント低い結果になりました。

Panasonic AAA色評価用昼白色蛍光灯

測定項目SEKONIC C-700OPPLE Light Master 4
CCT4800K4546K254K
Ra94.790.74.0
R982.159.023.1
照度4560lux5442lux882lux
CC Index0.4M測定不可

撮影用LEDでは近い結果が出ましたが、色評価用蛍光灯では差が広がりました。

色温度は254K差、Raは4.0ポイント差、R9は23.1ポイント差です。

光源の種類によって、Light Master 4の測定誤差は変わるようです。少なくとも今回の蛍光灯では、LEDを測定したときほどC-700に近い結果にはなりませんでした。

ZHIYUN CX100 6500K設定

測定項目SEKONIC C-700OPPLE Light Master 4
CCT6500K6500K0K
Ra97.893.54.3
R996.768.328.4
照度3600lux28,014lux大きな差
CC Index0.2G測定不可

色温度は両方とも6500Kで一致しました。

一方、Raは4.3ポイント、R9は28.4ポイントの差が出ています。

照度については他の測定結果と比べても極端に大きな差が出たため、この条件については測定条件や記録値を含めて再確認が必要そうです。

ZHIYUN CX100 2700K設定

測定項目SEKONIC C-700OPPLE Light Master 4
CCT2653K2663K10K
Ra96.896.20.6
R990.980.810.1
照度24,200lux21,625lux2575lux
CC Index0.2G測定不可

2700K設定では、色温度の差は10K、Raは0.6ポイント差でした。

一方、R9は10.1ポイント低く、照度は約10%の差が出ています。

色温度の測定はかなり使えそう

4条件のCCTをまとめると以下のようになりました。

光源C-700Light Master 4
ZHIYUN MOLUS B200 5000K5095K5089K6K
Panasonic 色評価用蛍光灯4800K4546K254K
ZHIYUN CX100 6500K6500K6500K0K
ZHIYUN CX100 2700K2653K2663K10K

撮影用バイカラーLEDの3条件では、C-700との差が0〜10Kに収まりました。

これは想像していた以上に近い結果です。

一方、色評価用蛍光灯では254Kの差が出ています。

今回の測定数だけで断定はできませんが、一般的な撮影用LEDの色温度を確認する用途ではかなり使えそうです。ただし蛍光灯など、光源の種類によっては誤差が大きくなる可能性があります。

CRIはRaとR9で傾向が違う

Raについては、測定条件によって0.5〜4.3ポイントの差がありました。

ZHIYUN MOLUS B200とZHIYUN CX100の2700K設定ではかなり近い結果です。

メーカー公称値を厳密に検証したり、照明機材の性能を正式に評価したりする用途には向きませんが、高演色かどうかを大まかに確認する程度であれば参考になりそうです。

一方、R9はすべての条件でLight Master 4の方が低い数値になりました。

光源C-700Light Master 4
ZHIYUN MOLUS B200 5000K95.988.4-7.5
Panasonic 色評価用蛍光灯82.159.0-23.1
ZHIYUN CX100 6500K96.768.3-28.4
ZHIYUN CX100 2700K90.980.8-10.1

差も一定ではなく、7.5〜28.4ポイントと大きく変わっています。

そのため、R9については参考程度に考えた方がよさそうです。Raが比較的近いからといって、個別の演色評価値まで同じ精度で測定できるわけではありません。

照度計としてはもう少し検証が必要

照度は、ZHIYUN MOLUS B200 5000Kでは約0.8%差と非常に近い結果になりました。

一方、ZHIYUN CX100の2700K設定では約10%、Panasonicの蛍光灯では約19%の差があります。

照度は測定位置がわずかに変わるだけでも数値が変化するため、測定器同士を厳密に比較するのであれば固定治具などを使った方がよさそうです。

Light Master 4を照度計として使う場合も、絶対値を厳密に測るというより、

「ディフューザーを入れる前後でどの程度光量が落ちたか」

「AとBの照明でどちらが明るいか」

といった、同じ測定器を使った比較に向いていると思います。

CC Indexを測定できないのは残念

撮影用途で一番残念なのは、Light Master 4ではSEKONIC C-700のようにCC Indexを確認できないことです。

今回C-700では、

  • ZHIYUN MOLUS B200 5000K:0.3G
  • Panasonic色評価用蛍光灯:0.4M
  • ZHIYUN CX100 6500K:0.2G
  • ZHIYUN CX100 2700K:0.2G

という結果でした。

LED照明を複数台組み合わせる場合、色温度だけでなくグリーン・マゼンタ方向のズレが問題になることがあります。

2台とも5000K付近であっても、片方がグリーン寄り、もう片方がマゼンタ寄りであれば、被写体に当たる光の色は揃いません。

この差まで数値で確認し、補正フィルターを選定したい場合は、C-700やC-800のような本格的なカラーメーターが必要です。

複数のLED照明を揃える用途には使いやすい

今回の比較で、Light Master 4が最も実用的だと感じたのは、複数のLED照明を比較する用途です。

例えばAのLEDが5080K、BのLEDが5300Kと表示された場合、絶対値が完全に正確でなくても、2台の間に約200Kの差があることが分かれば調整の目安になります。

バイカラーLEDであれば測定値を確認しながら色温度を近づけることができます。固定色温度のLEDであれば、補正フィルターを入れる際の参考にもなります。

LED照明を多灯で使用すると、

「どちらも5600K設定なのに、撮影すると微妙に色が違う」

ということがあります。

目視だけで合わせるよりも、灯体同士の差を数値で確認できるだけで調整はしやすくなります。

フリッカー測定もできる

Light Master 4にはフリッカーの測定機能もあります。

最近の撮影用LED照明では、通常の撮影条件で大きなフリッカーが発生する製品は少なくなっています。

ただし実際の撮影現場では、店舗やオフィスのLED照明、家庭用LED、蛍光灯など、既存の環境光を残して撮影することもあります。

肉眼では問題なく見えていても、シャッター速度によって写真に明暗のムラが出たり、動画でちらつきが発生したりする場合があります。

下の画像は、今回使用したPanasonicのAAA色評価用昼白色蛍光灯をLight Master 4で測定した結果です。

Frequencyは123Hzと表示されました。

今回の測定環境は60Hz地域のため、交流電源に由来する約120Hzの明滅を検出しているものと考えられます。

アプリ上ではフリッカーが大きい側の評価になっていました。

これは「この照明を使うと直ちに健康へ悪影響がある」と判断するものではありませんが、ちらつきの大きい光源であることを確認する目安にはなります。

撮影用途では、フリッカーのある光源を使用すると、

  • 写真に明暗のムラが出る
  • 連写した写真ごとに露出や色が変わる
  • 動画に横縞やちらつきが発生する

といった問題が起こる場合があります。

撮影前にフリッカーの有無を確認できれば、シャッター速度や撮影方法を決める際の参考になります。

色温度だけでなく、撮影場所にある既存照明の簡易チェックに使えるのもLight Master 4の面白いところです。

Light Master 4が向いている用途

今回使用してみた範囲では、以下のような用途に向いていると感じました。

  • LED照明同士の色温度差の確認
  • 同一モデルの個体差チェック
  • バイカラーLEDの色温度調整
  • 色温度補正フィルター使用前後の比較
  • 同じ測定器を使った照度の相対比較
  • CRI Raの簡易確認
  • 環境光のフリッカーチェック

一方、以下の用途では本格的なカラーメーターが必要です。

  • グリーン・マゼンタ方向のズレを数値で確認する
  • 補正フィルターを厳密に選定する
  • R9など個別の演色評価値を正確に測定する
  • 照明機材の性能を正式に評価する
  • ストロボ光を測定する

まとめ

今回、SEKONIC C-700とOPPLE Light Master 4を4つの条件で比較しました。

最も良好だったのは色温度の測定で、撮影用バイカラーLEDではC-700との差が0〜10Kに収まりました。

一方、色評価用蛍光灯では254Kの差があり、光源の種類によって測定結果に差が出ることも分かりました。

Raは簡易的な参考値として使えそうですが、R9はすべての光源で低めに表示され、差も一定ではありません。照度についても条件によって差があり、絶対値を厳密に測定する用途にはもう少し検証が必要です。

また、CC Indexを測定できないため、グリーン・マゼンタ方向まで含めて照明を厳密に揃える用途ではSEKONIC C-700やC-800には及びません。

そのため、OPPLE Light Master 4を本格的なカラーメーターの安価な代用品と考えるのは少し違うと思います。

ただし、

「AのLEDとBのLEDでどれくらい色温度が違うのか」

「複数のバイカラーLEDをできるだけ同じ色温度に揃えたい」

「撮影場所の既存照明にフリッカーがないか確認したい」

といった用途であれば十分実用的です。

6,000円程度で購入できることを考えると、LED照明を多灯で使用するカメラマンにとっては面白い測定器だと思います。

高精度なカラーメーターというより、撮影前に照明同士の違いや問題を見つけるための簡易測定器。

現時点では、この使い方が一番合っているように感じています。

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